『Star Wars: The Rise Of Skywalker』は面白いのか
どうも僕です。
今回はStar Warsシリーズ最新作、エピソードⅨにあたる『Star Wars: The Rise Of Skywalker』(邦題:スカイウォーカーの夜明け)、並びに新三部作全体に関する雑な感想を書こうと思います。
あ、ネタバレ全開です。
あと、そこそこ長いです。
ちなみに僕は、「スターウォーズ大好きっ子」、悪く言えば信者かも知れないです。
本当に大好きなんです。
Ⅳ〜Ⅵはもちろん、賛否両論あったエピソードⅠ〜Ⅲ、もっと賛否両論(これに関しては否の方が多いかも知れない)エピソードⅧでさえ、好きです。
そんな僕がこの映画にフラットな感想を述べるのは難しいです。
ですが、頑張って書こうと思います。
先に分かりやすく点数で結論を述べれば、この映画は
・減点方式なら「65点」
・加点方式なら「5億点」
です(これは親愛なる友人のおかげで気付けました)。
まず先に良かった点から書こうと思います。
良かった点1.とにかく演技が素晴らしい
これに関してはおしなべて素晴らしかったんだけど、強いて二人だけ挙げさせてもらうならば、フィン役の「ジョン・ボイエガ」、そしてカイロ・レン役の「アダム・ドライバー」です。
ジョン・ボイエガは、三作通じてとても安定していて、元ストームトルーパー、シリアス且つユーモアたっぷりの、まさに「新しいスターウォーズ」を体現してるかのようなキャラクターを演じてくれました。
全てのバランサーでもあり、安心するために、フィンというキャラクターを観たくてたまらない自分がいました。
本当に素晴らしかったです。
元ストームトルーパーという、まさに「名も無き兵士」から、「かけがえのない戦友」になった、本当にこのシリーズを通じて深みを増した、最高のキャラクターでした。
そして、カイロ・レン。
三作を通じて演技力が一番伸びたのはこの人ではないでしょうか。
というか、エピソードⅨの彼の演技、全体を通じて化物すぎます。
マジで何者なんだ。
ダークサイドからライトサイドへ、簡単には言えますが、ダースヴェイダーとも違う、アナキンとも違う、そんな役を全うしてくれました。
まさにヒールからヒーローへ、新作を代表してくれる役回りを見せてくれました。
ただ、マスクはマジでダサいです。
良かった点2.旧作キャラの活躍の仕方
これは本当にバランスなので、感覚的な話なのですが、ルークもレイアもランドもハン・ソロも、距離感が絶妙で良かったと思います。
しっかりと若人を導こうとしてあげる振る舞いがよかったですね。
「加点式で5億点」と言いましたが、大体がこの人たちのおかげです。
ライトセーバーを「雑に扱うな」と嗜めるルーク、今世紀最大の「お前が(お前も親父も師匠も)言うな」ですし、レイアのライトセーバーを渡し、Xウィングを持ち上げるシーンで「あ、好き、、、」となってしまいました。
ランドも、本当に「老人に頼るなら経験とコネ」を体現してくれましたね。
全く嫌味も違和感もなく、立ち上がる人たちを導いてくれる、それはエピソードⅣ〜Ⅵがあったからでしょう。
軍隊や戦闘機でなく「民間機です」、これ本当に最高。
そして、レイア。
フォースの冥界へ行くタイミング、あれはズルです。
ズルなのでダメです。
その前のハン・ソロとレンの掛け合いも相まって、本当のズルです。
好き。
良かった点3.ファンが喜ぶシーン満載
レイの修行、ランドとの再会、Xウィング持ち上げ、エンドアでの戦い、パルパティーン戦でのジェダイたちの声、挙げたらキリがありませんが、スターウォーズシリーズを知っている人ほど楽しめるシーンがたくさんあり、「シリーズ」であることの意義がありました(この辺はのちに悪い点としても述べます)。
とまぁここまで色々褒めましたが、ここからが本題というか、残念な点の話をします。
残念な点1.三部作の意味が本当に薄い
これは皆さん感じたのではないでしょうか。
エピソードⅦはⅣの焼き増し、Ⅷは何も進まず仲間割れ、Ⅸで急に出てくるラスボス、、、
どれも単作で見れば魅力的なんですよ。
だけど、三部作として考えるなら、マジで微妙すぎます。
キャラクター単体の成長譚は分かるんですけど、しっかりと軸があるストーリーが欲しかったな。
残念な点2.結局パルパティーン!?
上記とも関わるんですが、え?パルパティーンなの?
これもうスターウォーズ好きな人みんな分かってると思うんですけど、そもそも「パルパティーン」ってmarvelでいう「サノス」じゃなくない???
「昔からずっといた!最強すぎ!勝てない!」みたいなキャラクターじゃないんですよ。
シスの最強ならもっと適任がいるわけで。
まぁ分かるんですよ?
映画の中で考えるならパルパティーンしかおらんのよね??
でもじゃあ、一回倒したパルパティーン倒すためにまた三部作のやる意味って何?てかⅨまでに何も示唆なかったよね???
残念な点3.フォースの扱い
あの、フォースって何ですか?
ぼく、エピソードⅠ〜Ⅵまでで何となく分かった気でいたんですけど、まだ分かってませんでした。
教えてください。
という感じになってしまいました。
フィンが「フォースを感じられるようになった」のだけは本当に良かった。
だけど、実際劇中でのフォースは「万能解決策」みたいな、ドラえもんの便利グッズ化しちゃってて、本当に残念でした。
ライトセーバー転送のとこは勢いでもう何か良くなっちゃってたけど、冷静に考えると意味がわからない。
あと、ルークがXウィング引き揚げたのも最高なんだけど、霊体が現実に影響与えるな。
ヨーダに何を習ったんだ。
残念な点4.マジで媚びすぎ
良い点3でも挙げてたやんけ、こいつ人格乖離か?
となりそうですが、一旦落ち着いてください。
スターウォーズが好きな人のファンサービスって、例えば「腕を切られる」とか「ライトセーバーを落とす」とか「いつかお前に殺されそうだよ」とか「ブラ=サガリ」とか、そういうやつなんですよ。
「あーまたやってるよハハッ、最高」みたいな。
でもね、「ストーリーの焼き増し、オマージュ」はマジで意味ないんだよ。
同窓会の懐かしネタかよ。
あれやって!あれやって!めっちゃなつかし!ウケる!!
本当に、全然良くない。
結局ここに終始してしまいますが、「新三部作」というなら「新しさ」を見せてよ。
エピソードⅦ〜Ⅸの新しさって何?
結局Ⅸも血の話になっちゃったし、もっと新しいストーリーにして欲しかった。
血の話はⅠ〜Ⅵでもうやったのよ。
折角「何者でもない」フィンや「グレーサイド」のカイロ・レンという素敵なキャラクターを創ったのに、勿体無いよ。
確かにⅨは偉いと思ってしまうんですよ、よく纏めたなと思いますよ。
でも勝手に始めたのお前らだからな?
全然偉くないんやぞ?
残念な点5.露骨なコンテンツ化をするな
例えば、MCU化。
あ、マーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic Universe)のことです。
エンドゲームは確かに素晴らしかったし、面白かった。
でもそれをスターウォーズにまで持ち込まないでほしい。
正直、「ハン・ソロ」の映画のストーリー、酷かったぞ。
「ローグワン」のレベルの話を作れるなら分かる、でももう「ローグワン」あるから、かなり難しいよ(注:筆者は「ローグワン」が一番好き)。
ジャンプの作品と同じで、名作だからっていつまでも引き伸ばして、面白いエピソード、面白くないエピソードを乱立させていくのは、あまりよろしくないよ。
あと、イウォークとか、分かりやすいキャラの扱い。
彼らは戦ったんだ。
その上、素敵で可愛いんだよ。
そうじゃない作り方は、やめてほしい。
さて、まとめに入ります。
もう一度言いますが、ぼくはこの映画、並びに新三部作であるⅦ〜Ⅸも嫌いになれませんし、好きです。
全てのアクターに拍手を送りたい。
あと何回も観ると思う。
ただし、新しく三部作として映画を作った意味があったか、という点に関しては、非常に懐疑的です。
多くの人々がⅨのパンフレットの時代表記に怒ってましたね。
今までは「ヤヴィンの戦い」の前か後か(BBY or ABY)、っていう基準だったんですけど、それが急に「スターキラー事件」の前か後(BSI or ASI)に変わってるという。
要するに「エピソードⅣ」基準が「エピソードⅦ」基準になったということ。
時代基準を変えるということは、スタンダードを新三部作に持っていきたいということ。
そこまでやるってことは、ちゃんと旧作品たちを、ストーリーの面で乗り越えてほしい。
旧作から観てる僕らのカタルシスには「エピソードⅣ〜Ⅵ」がどうしたってあるんだ。
それを乗り越えたいのなら、うるせぇ老害ファンにも媚びずに、「新しい」サーガを紡いでほしい。
僕はそれを切に望んでいます。
以上です。
ちなみに三回泣きました。